Album
「TAISHI」

構想から10年、一発録りにもこだわったアルバム「TAISHI」

太鼓奏者「山部泰嗣」と各界を牽引する和楽器奏者を集め収録した多彩な全8曲。
和太鼓、三味線、尺八、篠笛、鳴物、二十五絃箏を使用した和楽の現在(いま)をこの1枚に収録。

あなたの知らない音楽がここにもある「かも」しれない

< 2019年3月10日発売 >

参加アーティストからのコメント

吉井盛悟

山部泰嗣という男の面白さを語らずにはいられない。

彼は「倉敷」という芸術に造詣の深い土地が生み出した結晶の一つであり、またスパルタ、叩き上げで研鑽を積み重ねてきた貴重な日本式音楽家である。

幼い頃から天才と呼ばれ、その青年期は早くから太鼓界のスターであった。
しかしその音は早熟の危うさがあり、奢りの混じった音であったかと思う。

しかしある時から彼の音は変わった。

日本の太鼓界を背負うという自覚が彼の音を謙虚で正直なものとし、その響きに大きな愛と責任感を感じるものとなった。
ピアノ教師の息子でもある彼の音楽性は群を抜いており、このCDでも彼自身ピアノを弾きメロディを作りコードをつけているのも面白いところでもある。

類は友を呼ぶとはよく言ったもので、彼の周りに集う音楽家も、努力を惜しまない天才ばかりが集っている。

このCDのディレクションを任された際は私自身、緊張と興奮を覚えた。
科学技術が益々進歩する昨今、音楽の在り方も大きく変化している。
人工知能での作曲、デジタルによる音楽の技術の向上は、息をする生身の人間が奏でるということの真価を問われている。

また我々、日本音楽家は、木、竹、皮、絹糸など多くの自然素材を用い、湿度や温度と深く関わりながら音楽をしている。
改めて、人にとって音楽とは何か、録音とは何かという問いに立ち向かうものとなったと思う。

主たる曲にはクリック(メトロノーム)を用いず、一発録りをし、演奏者の呼吸感をそのまま収めた。
この緊張感のある空気振動は、律動、音高、音量、和音という音楽的なことを越え、三次元的な「詰メ」「開キ」として存在し、時間軸の揺らぎすら感じさせるものとなった。

このCDに、もう二度と同じことが起こらない貴重な自然現象を収められたことに録音物としての価値、そして命が音を奏でるということの儚さと尊さを感じとって頂けたら幸いである。


浅野 祥

山部泰嗣との出会いは私が17歳の時だった。

子供の頃から天才と言われた彼の第一印象は、とにかく厳つく漢気のある人。
それまで私が出会ったことのない種類のオーラをまとっていたこともあり、出会いの瞬間は今でも鮮明に覚えている。

それから彼とは様々なコンサートを共にする。
ある日、本番前に彼と握手を交わすと物凄く手に汗をかいていた。
一見すると怖いもの無しの実力者に見えるが、実はとても緊張症だ。
常に自問自答を繰り返しながら自分を鼓舞することによってあのオーラを保ち続けているのだ。

そんな彼の人間性や、音楽性、背負っているものを深く理解するにつれ、どんどん彼の魅力に取り憑かれた。

皆様同様、紛れもなく私も山部泰嗣の大ファンである。

今回の作品は十数年彼と演奏し続けてきた曲たちで、私たちにとってはどれも想い入れの強い楽曲である。

すなわち今後も何十年と共に演奏していく曲であり、これからどんどん成長していく楽曲であるが、現時点で私たちが心から納得できる演奏が収録できたと思っている。

この作品に関われたことに心から感謝をするとともに、平成時代に培った山部泰嗣の全てが詰まった今作品を、どうぞ心ゆくまでお楽しみください。


石垣征山

山部泰嗣は凄腕である。
有無を言わさぬ技量で他を圧倒し、先陣を切る彼を誰も止めることはできないだろう。

山部泰嗣は進化の達人である。
圧倒的技量を持ちながら、スポンジの様にありとあらゆる事象を我が物にしていく。
興味の対象は太鼓にとどまらず、他の楽器、音楽以外のことまで貪欲に取り入れ自らの血肉に変えていく。

山部泰嗣は漢(おとこ)である。
他の追随を許さない存在でありながら驕り高ぶらず、義の心を忘れることなく、我々共演者に最大限の敬意を払い、自分が演奏する場に関わるありとあらゆるスタッフの皆様に感謝をし、そして自らが率いるチームのメンバーを厳しく育て上げながら、その一人一人への気遣いを忘れない。

曲がったことをする人間には目上であろうが仲間であろうが臆することなく間違いを指摘し、損得勘定では動かない。

そんな泰嗣のCDに参加できることは望外の悦びで、至福の名誉だ。
きっといまこの文を読んでくださっている貴方にも驚きと共に満足していただけるCDに仕上がっているはずだ。

山部泰嗣は最高の友であり、ライバルだ。


前田剛史

同じ太鼓演奏家でありながら彼の太鼓に向かう姿勢、言葉、日々の動きから学ぶ事、気付かされる事は計り知れない。
同じ《太鼓》というツールを持ちつつも全く違う環境、スタイルで歩んできた彼の放つ音、纏う空気には完璧に自分には真似の出来ない絶対的な何かを感じるのだ。

それはまさに彼を知れば知るほど見えてくるのだが、一見荒々しい性格にみえる彼であるが、非常に繊細な一面を持ち、とにかく他への愛情がとても深い人間だ。
常に物事をフラットに観れる洞察力と柔軟性も持っている。

そしてなんと言っても本当に太鼓が大好きな男である。

彼と一緒に太鼓を叩いていると楽しい。
どこか固定概念という物が無いように感じる。有るようで無い。不思議な両極の力を秘めている様に感じる。

とは言え私はまだ彼とは出会って一年と数ヶ月程しか経っていない筈なのだが、何故かもっと前から一緒に太鼓を叩いている様な感覚に陥るのは山部泰嗣という人間の人懐っこい性格と、彼の不思議な魅力に私自身が惹き込まれている証拠であると思う。

そんな山部泰嗣という人間の魅力が存分に詰まった今回のCD作品に関わらせて頂けた事、心より嬉しく思う。

そして、山部泰嗣という人間との出逢いにも同時に感謝したい。

これからもそんな彼を刺激出来る人間でありたいと思う。

お聴き頂いた皆様がきっと楽しんで頂ける作品になっていると思います!
是非一人でも多くの方にお聴き頂きたいです。


中井智弥

私は和太鼓がはっきり言って嫌いだった。
ドラムやティンパニーのように和太鼓がチューニングできない事をいいことに、ハーモニーに関して努力をしない奏者が大多数だった。
アンサンブルの時リズム担当だけではなく、和太鼓は最低音(曲のベースメント)を担う楽器なのに・・・。

しかし山部泰嗣は違った。
彼は私と同じ事を考えていて、和太鼓の最低音をその音楽の調性の要の音に合わせることの大切さや、音程を自由に変えられない和太鼓がハーモニーのある西洋音楽に入る際、これからどうやって楽器開発から行うべきかなど、話し合える機会まで持てた。
そこから彼への音楽への信頼感がぐっと上がった。

あるポップス系のレコーディングをお願いした時の話である。
さまざまな楽器を録音し終え、彼の和太鼓のパートを一番最後に録音したときだった。
まだ未完成な音楽をなんと彼は足りない所に見事に音を足して、楽曲をまとめ上げた。

要するに、歌に寄り添う歌心、和声感、そしてそれぞれの楽器を生かす音域分離的な考えがあるアーティストだったのだ。
睨んだ通り、素晴らしい和太鼓奏者であった。

そして何よりそういう事が考えられるのは、優れた録音エンジニアか作曲家である。
彼はその才能を持ち合わせている奏者なのだ。しかも相手を生かして自分を生かす。
伝統芸能において最も大事な事も自然にできるのである。
このアルバムが何よりの証拠である。

山部泰嗣を見ていると和太鼓業界の明るく建設的な未来も感じられる。
理性的で素晴らしい考えもあるが、決してお行儀よくまとまる彼でもない。
日本を背負う、世界の山部泰嗣だと私は信じている。

ご購入について

山部泰嗣 アルバム「TAISHI」

山部泰嗣オリジナルアルバム「TAISHI」

¥3,300(税込)

【2019/3/10発売】
<公演会場で販売>
2019年3月10日より、山部泰嗣の出演する公演会場にて販売しております。

<通信販売>
通信販売は下部オーダーフォームより承ります!

<音楽配信>
下記音楽配信サイトでダウンロード購入いただけます

iTunes Store LINE MUSIC amazon music music.jp

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